受け入れの推移
法務省が公表している統計データに基づき、2019年12月末から2024年6月末までの在留者数(特定技能1号と特定技能2号の合計)の推移をグラフにしました。本グラフは、当事務所にて作成したものです。
グラフが示すように、在留者数は右肩上がりに急速に増加しており、人手不足の解消には至っていません。この状況から、今後も在留者数は増加するものと考えられます。
(法務省統計引用の上、グラフ作成)
特定技能制度における分野別要件について
特定技能制度は、日本国内の人手不足を解消するため、特定の産業分野において一定の技能を有する外国人を受け入れる制度です。対象となる分野は、2024年現在、以下の16分野に拡大されています。
各分野ごとに、求められる技能や経験、日本語能力などが異なります。以下は、特定技能1号外国人に求められる要件です。
●特定技能1号外国人の要件
1. 介護
- 業務内容: 高齢者や障害者の身体介護、生活援助など
- 技能要件: 介護福祉士養成施設を卒業、または介護に関する3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
2. ビルクリーニング
- 業務内容: ビル内外の清掃、清掃用具の管理など
- 技能要件: ビルクリーニングに関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
3. 工業製品製造業
- 業務内容: 各種機械部品の製造、加工、組立、検査など
- 技能要件: 工業製品製造に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
4. 建設
- 業務内容: 型枠工事、鉄筋工事、左官工事、とび工事、建築大工工事など
- 技能要件: 建設関係の資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
5. 造船・舶用工業
- 業務内容: 溶接、塗装、機械加工、組立など
- 技能要件: 造船・舶用工業に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
6. 自動車整備
- 業務内容: 自動車の点検、整備、修理など
- 技能要件: 自動車整備士資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
7. 航空
- 業務内容: 空港での地上支援業務(旅客サービス、手荷物取扱、貨物取扱など)
- 技能要件: 航空関係の資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
8. 宿泊
- 業務内容: フロント業務、客室清掃、レストランサービスなど
- 技能要件: 宿泊業に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
9. 農業
- 業務内容: 耕うん、播種、育苗、収穫、選果、梱包など
- 技能要件: 農業に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
10. 漁業
- 業務内容: 漁船漁業、養殖業、水産加工業など
- 技能要件: 漁業に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
11. 飲食料品製造業
- 業務内容: 食料品の製造、加工、包装など
- 技能要件: 飲食料品製造業に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
12. 外食業
- 業務内容: 接客、調理、清掃など
- 技能要件: 外食業に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
13. 機械金属加工
- 業務内容: 金属材料の切削、研磨、溶接など
- 技能要件: 機械金属加工に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
14. 電気・電子機器関連産業
- 業務内容: 電気・電子機器の製造、組立、検査など
- 技能要件: 電気・電子機器関連産業に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
15. 自動車運送業
- 業務内容: トラック、バス、タクシーなどの運転業務
- 技能要件: 自動車運送業に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
16. 鉄道
- 業務内容: 鉄道の運行管理、車両整備、駅務など
- 技能要件: 鉄道に関する資格、または3年以上の実務経験
- 日本語能力: 日本語能力試験N4以上、または同程度の能力
留意事項
- 各分野の具体的な要件や試験内容については、出入国在留管理庁のウェブサイトなどで確認してください。
- 技能実習2号を良好に修了した外国人は、一部の試験が免除される場合があります。
- 特定技能2号は、より高度な技能を有する外国人を対象としており、1号とは要件が異なります。
受け入れ機関の要件
特定技能外国人を受け入れるための受け入れ機関(企業)側の要件は、多岐にわたりますが、主に以下の4つのカテゴリーに分類できます。
1. 法令遵守
- 労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などの関係法令を遵守していること。
- 外国人労働者の雇用に関する法令(入管法、労働施策総合推進法など)を遵守していること。
- 社会保険(健康保険、厚生年金保険)および雇用保険に関する手続きを適切に行っていること。
- 税務に関する申告・納税を適切に行っていること。
2. 適切な雇用管理
- 外国人労働者に対して、日本人労働者と同等の労働条件(賃金、労働時間、休日など)を保証すること。
- 外国人労働者の能力や経験に応じた適切な業務内容を与えること。
- 外国人労働者の労働時間、休憩時間、休日などを適切に管理すること。
- 外国人労働者の安全衛生に配慮し、適切な労働環境を提供すること。
- 外国人労働者に対する差別的な取り扱いをしないこと。
- 外国人労働者からの相談や苦情に適切に対応できる体制を整備すること。
3. 支援体制の整備
- 外国人労働者が日本で安心して生活し、働けるよう、以下の支援体制を整備すること。
① 事前ガイダンスの提供
② 入国・出国する際の送迎
③ 住宅の確保・生活に必要な契約に係る支援
④ 生活オリエンテーションの実施
⑤ 日本語学習の機会の提供
⑥ 相談・苦情への対応
⑦ 日本人との交流促進に係る支援
⑧ 転職支援
⑨ 定期的な面談の実施、行政機関への通報
⑩ その他の支援計画への記載事項 |
-
外国人労働者に対する支援計画を作成し、適切に実施すること。
-
支援責任者および担当者を配置し、外国人労働者の支援を行うこと。
4. その他
- 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと。
- 1年以内に受け入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと。
- 5年以内に入管法、労働法令等の違反がないこと。
- 暴力団排除の観点からの欠格事由に該当しないこと。
- 保証金や違約金等の契約をしないこと。
- 報酬を口座振り込みとすること。
留意事項
- 上記は一般的な要件であり、分野や個別の状況によって異なる場合があります。必ず関係省庁のウェブサイト等で最新の情報を確認するようにしてください。
- 外国人労働者の受け入れには、専門的な知識や手続きが必要となる場合があります。必要に応じて、専門家(行政書士など)に相談することをおすすめします。
登録支援機関ついて
登録支援機関とは特定技能制度で働く外国人をサポートする、国が認めた機関です。特定技能外国人を雇用する企業(受入れ機関)は、外国人に対する支援計画を作成し、適切に支援を行う必要があります。
登録支援機関は、この支援を企業に代わって行うことができます。
登録支援機関になるための条件
- 過去の法令違反がないこと: 過去5年以内に出入国管理及び難民認定法や労働関係法令に違反したことがないこと。
- 支援体制:
- 外国人支援に必要な知識や経験を持つ職員がいること。
- 外国人が理解できる言語で支援できる体制があること。
- 支援計画の作成・実施、相談対応、行政機関との連携など、必要な業務を遂行できる体制があること。
- 財産基盤: 安定した財政基盤があること。
登録支援機関の役割
登録支援機関は、受入れ機関から委託を受け、主に以下の支援を行います。
- 入国前の支援:
- 入国手続きに関する情報提供
- 日本での生活に関するオリエンテーション
- 入国後の支援:
- 住居の確保
- 生活オリエンテーション(日本の生活習慣、文化、交通機関、医療機関などの情報提供)
- 日本語学習支援
- 行政手続きのサポート(在留資格申請、住民登録、税金、社会保険などの手続き支援)
- 相談・苦情対応(相談窓口の設置、通訳・翻訳サービスの提供など)
- 定期的な面談
- その他:
登録支援機関の選び方
受入れ機関は、以下の点などを考慮して、適切な登録支援機関を選ぶことが重要です。
- 支援体制: 必要な支援を適切に提供できる体制が整っているか。
- 実績: 外国人支援の実績や経験が豊富か。
- 専門性: 支援に必要な専門知識やスキルを有しているか。
- 費用: 支援にかかる費用が適切か。
- 信頼性: 信頼できる機関であるか。
登録支援機関数
登録支援機関とは法務省出入国在留管理庁の登録を受けた機関のことです。
2025年2月14日現在
10,196件登録
分野別受け入れ状況
2024年6月末の分野別受け入れ状況(在留者数)は、次の表のとおりです。
分野 |
特定技能1号 |
特定技能2号 |
総数 |
構成比 |
飲食料品製造業 |
70,202 |
11 |
70,213 |
28% |
工業製品製造 |
44,044 |
23 |
44,067 |
18% |
介護 |
36,719 |
|
36,719 |
15% |
建設 |
31,853 |
66 |
31,919 |
13% |
農業 |
27,786 |
21 |
27,807 |
11% |
外食業 |
20,308 |
9 |
20,317 |
8% |
造船・舶用工業 |
8,703 |
23 |
8,726 |
3% |
ビルクリーニング |
4,635 |
|
4,635 |
2% |
漁業 |
3,035 |
|
3,035 |
1% |
自動車整備 |
2,858 |
|
2,858 |
1% |
航空 |
959 |
|
959 |
0% |
宿泊 |
492 |
|
492 |
0% |
総数 |
251,594 |
153 |
251,747 |
100% |
受入れが多い分野としては、飲食料品製造業、工業製品製造業、介護、建設及び農業の分野での受入れが多く、この4分野で全体の84%を占めています。
宿泊分野の受け入れ
宿泊分野では、近年、訪日外来客数が大幅に増加し、宿泊施設の人手不足が深刻化しています。しかしながら、特定技能外国人の受入れは、制度の認知度不足や受入れに必要な準備・コストに対する懸念などから、現状では進んでいません。
訪日外国人の数は増加の一途を辿り、宿泊施設の人手不足は更に深刻化しています。このような状況から、今後、特定技能外国人を受け入れる宿泊施設が増加することが予想されます。
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特定技能ビザの申請手続きは、必要書類が非常に多くて複雑です。
当事務所では、申請書類の作成・収集から入管への申請取次まで、ワンストップでサポートいたします。
(※)取次申請とは、申請人に代わり当事務所の職員が入管に出向き申請書類を提出するほか、在留カードや認定証明書の受領などを行うことが認められています。
経験豊富な当事務所が、お客様一人ひとりに寄り添い、スムーズなビザ取得をお手伝いいたしますので、ご安心ください。
まずは、お問い合わせフォームまたは電話によりお問い合わせください。
料金(報酬)体系については、以下に掲載しておりますので、ご覧ください。
1 登録支援機関
申請の種別 |
報酬額(税抜き) |
登録支援機関登録申請 |
15万円~ |
登録支援機関登録更新申請 |
10万円~ |
定款変更認可申請(その他) |
6万円~ |
変更届(事業協同組合関係) |
3万円~ |
- 入管に納付する申請手数料(新規:28,400円/更新:11,100円)は、別途お支払いいただきます。
2 ビザ申請
申請種別 |
報酬額(税抜き) |
在留資格認定証明書交付申請
(Certificate of Eligibility)
(外国からの呼寄せ) |
1人目 |
15万円 ~ |
2人目以降(1人につき)
|
5万円 |
在留資格変更許可申請
( Change of Status of Residence) |
1人目 |
15万円 ~ |
2人目以降(1人につき) |
5万円 |
在留期間更新許可申請
(Extention of Period of Stay) |
転籍なし |
1人目 |
7万円 ~ |
2人目以降(1人につき) |
3万円 |
転籍・不許可歴あり |
1人目 |
15万円~ |
2人目以降(1人につき) |
5万円 |
注 意 事 項
-
報酬について
●報酬額には、別途消費税10%が加算されます。
着手金について
●申請業務開始にあたり、報酬額の半額を着手金としてお支払いいただきます。
●許可または交付があった時点で、残額をお支払いください。
●ただし、報酬額が5万円以下の場合は、業務開始前に全額をお支払いいただきます。
再申請について
●他の事務所やご自身で申請して不許可・不交付となった案件の再申請は、通常の案件よりも難易度が上がります。
●そのため、上記の報酬額に加えて、難易度に応じた追加料金が発生します。
●追加料金については、事前にご説明のうえ、調整させていただきます。
翻訳料について
●外国語書類の翻訳文を提出する必要がある場合は、別途翻訳料が発生します。
●翻訳料は、A4サイズ1枚あたり概ね5,000円です。
●ご自身で翻訳文をご用意いただくことも可能です。
不許可となった場合について
●弊所が申請取次し不許可となった案件については、不許可理由の解消が見込める場合に限り、無料で再申請を承ります。
●ただし、お客様のご事情により不許可となった場合は、原則として再申請は致しかねますのでご了承ください。
交通費について
報酬額には入管までの交通費は含まれておりません。申請を入管まで取り次ぐ場合には、以下の交通費をご負担いただく場合があります。
- 東京入管までの1往復:3,000円
- 水戸出張所までの1往復:3,000円
- 松戸出張所までの1往復:2,000円
3 大使館関係
申請の種別 |
報酬額(税抜き) |
推薦者表交付申請(在京ベトナム大使館)
|
3万円~ |
4 建設分野土交通省
国土交通省へ申請 |
報酬額(税抜き) |
建設キャリアアップシステムへの登録申請
※2人目以降一人につき3万円加算 |
3万円~ |
特定技能外国人受入事業実施法人加入申請(JAC) |
5万円~ |
建設特定技能受入計画の認定申請 |
10万円~ |
国土交通大臣への受け入れ報告(受入後) |
3万円~ |
顧問契約(税抜き)
月額基本料金 |
3万円~ |
交通費 |
実費 |
日当(遠隔地へ出張する場合) |
5,000円/時間 |
※月額基本料は、監理団体、会社の所在地及び規模、顧問契約の委託内容により異なります。
契約期間は通常1年ですが、初めての顧問契約の場合は、3月から承っております。
【契約に含まれる業務内容】
- 入管法令・技能実習法令手続きに関するご相談・質問
- 特定技能・技能実習等に係る就労ビザに関する情報提供
【契約に含まれない業務】
- 機構関係の申請書類作成(監理団体許可申請、技能実習計画認定申請、各種届出)
- 入管関係の申請書類作成(在留資格認定交付、在留資格変更、在留期間更新、各種届出)
- 外部監査
- 法的保護情報に係る講師(入国後講習)